私は以前、推し活のための職場と言えるようなところに勤めていたことがあります。
音楽オタクで、インディーズバンドにも詳しい店長。
漫画好きで、奥さんが同人誌を描いていたと語る副店長。
ゲーム好きのリーダー。
グッズ(特にポスター)好きで、退勤時間が被るとコラボカフェに付き合ってくれる先輩。
バンドの追っかけをしつつ、気まぐれに同人イラストやオリジナルグッズを作っている先輩。
定期的にオンリーイベントに足を運んでいて、絵がすごく上手な先輩。
コミケ常連サークルさんで、締め切りに間に合わせるために開催日直前に長期間休みをとる先輩。
いくつかの推しジャンルが私と被っていて、ソシャゲやコラボカフェの情報を共有していた同期。
そして、同人誌を出したいがPCの知識がなかったので、未経験歓迎の文字を真に受けて転職してきた私。
ちなみに私は面接で、「自力で同人誌を発行したくて先日PCを購入したので、学ぶ意欲と覚悟はあります」みたいなことを言いました。
その場で採用された。
そんな職場だったので、推し活に理解のありすぎる環境でした。
どいつもこいつも仕事中に会社のPCで推しのTwitterを開いたり、暇つぶしにフォトショでパス使ってイラスト描いたりしていましたが、仕事がちゃんとできていればオッケーという潔さ。
一番驚いたのは、バンド好きな先輩の推しがゲリラライブを開催したときのことです。
会社のPCでその情報を知った先輩が、「え、行きたい」と呟くと、店長がすかさず「行っといで!」と背中を押して送り出していました。
昼下がりくらいの時間だったのに、自由すぎる。
「いいの!?」
「いいよ! こんな機会ないんだから。あ、その時間分だけ給与は出せないんだけど」
「全然いい。マジありがとう。行ってくる👍️」
そんな感じで、先輩は40秒で支度して風のように退勤していきました。
今書いていて思い出したのですが、先輩は大変優秀な人ですが眩しいくらい個性的で、店長にも常にタメ口でした。
仕事が早いのですぐ暇になり、オリジナルグッズを作ったり、PCの隣にスマホ置いてソシャゲをしたりと、いつも自由を謳歌している人。
今思うと無茶苦茶でしたが、尊敬していました。
先輩のおかげで仕事が楽しかったと言っても過言ではありません。
また、私もコラボカフェやライブの当落が控えているときは、シフトの提出を待ってもらっていました。
退勤後には会社のソフトや製本機を使って、同人誌のサンプルや無配の小冊子、値札を作らせてもらっていました。
そう考えると、私もだいぶ好き勝手やらせてもらっていた気がします。
まさに、全力で推し活ができる職場。
そんな背景があったからこそ、コラボカフェの当選確率を限界まで上げて連日ドリンクファイトをしたり、即売会に年4回もサークル参加をすることができたのです。
当然、散財の具合もとんでもなかったはずなのですが、独自のメンタリティで貯金できていたのだから驚きですよね(「600万円を発見した話」参照)。
ですが私は常々『貯金がない』と思い込んで生きていたので、みんなで各々の散財について語ったときにこう答えたことを覚えています。
「お金もないけど、ストッパーもないんですよ」
あの優秀な先輩も、「その通りだ」と手を叩いて笑っていました。
まさか、ストッパーがないまま貯まっていたなんて誰が想像したでしょうか。
47.推し活のための転職、したことある?
推し活

コメント